log:2016年10月22日
ヒロインが男の子だったり女の子だったり複雑な『魔女の下僕と魔王のツノ』(好評連載中☆)
お話の中では好奇心旺盛なエリックが調べた色々な「男女の違い」が語られます。
今回はその際にもち先生が参考にした本をご紹介します。
●レナード・サックス著:谷川漣訳
『男の子の脳、女の子の脳』(草思社,2006年発行)
男の子の脳、女の子の脳―こんなにちがう見え方、聞こえ方、学び方 -
副題に「こんなにちがう見え方、聞こえ方、学び方」とあるように、男女の行動の違いを科学的な視点から細かく比較しています。
世界でおこなわれたいろんな実験の結果を紹介してくれているので、とてもわかりやすいです。
実験だ科学だという単語に弱い文系にはたいへんたすかりますね。
読んでいて、ああ、あるある~!ってなる例がたくさんありました。
たとえば
男の子は危ないことをするのが好きで、そういうことをすると男の子同士でお前スゲー!と賞賛されますが
女の子はそれを見て「あんなことしてバカみたい」と、危ないことには否定的な見方をするとか。
そういえば、ある日先生始めアシスタント一同事務所でテレビを見ていて、詳細は伏せますが「誰もやったことのない無謀な挑戦をする男の話」を見て
「何考えてんだお前は!!」「それをやって一体何になるというんだ!?」「お前がそれをやることで周りにどれだけ迷惑がかかってるかわかってんのか!!」
とボッコボコに盛り上がったりしました。
これも脳のせい…!
それがさらに進むとどうなるか、本では続きがあります。
男の子はリスクを乗り越えることで自信をつけ、失敗しても新たな挑戦に意欲的になるとか
女の子はリスクを避けることで自分に自信を失い、失敗するともう挑戦をやめてしまうとか。
そういう傾向がある男女を、同じように扱うのは難しいですね。
これ以外にも、元々男女ではものの見え方や音の聞こえ方、いろいろな点で違いがあります。
そのせいですれ違いが起こったり、教師が生徒に問題があると判断してしまったり、そういった子どもが著者の下に相談に訪れるのだそう。
ただし、著者の主張は一貫して「男女の違いがあるのは当たり前で、どちらが優れているかという差別はするべきではない」というものです。
男女の違いを受け入れ理解することが大事。
これ、子育てや教育、あるいは恋愛にも生かせますね。
著者のサックスさんは長く開業医として多くの子どもに関わり、たくさんのエピソードを元にわかりやすく解説をしてくれています。
私事ですがロッサリの親戚には女の子しかおりませんので「男の子」は未知の生物です。
身近に男の子と女の子、両方いらっしゃる方は特に興味深く読めるのではないでしょうか。
さて男の子であり女の子であるレイちゃんやエリックは一体どんなことを感じてこれからどうなるのでしょう。
今後の展開をお楽しみに!